KILL JAPS,KILL JAPS,KILL MORE JAPS!

ザ・パシフィック全10話観終わりました。いやー、すごく見ごたえがありました。

【通常版】 THE PACIFIC / ザ・パシフィック コンプリート・ボックス [Blu-ray]

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やはり、こういうドラマを観ると日本兵の描かれ方というのがけっこう気になるもんですが、全体を通して"何を考えてるかわからん不気味な敵"という面が強調されてた気がしますね。例えば、死ぬのがわかってんのになんで降伏しねえんだ?的な。万歳突撃でつっこんでくる日本兵がバタバタ死んでいく描写が何回かありますし、直接の描写はないんですが航空機による特攻について米兵同士で話してる場面もありました。劣悪な環境で、そういう得体のしれない敵と戦うことによって、精神的に消耗していく兵士を描くのがこの作品のひとつの大きなテーマなので、日本兵の不気味さが強調されてるのはあるんだろうなと思いました。
そういや、沖縄戦を描いたパートで赤ん坊を抱えたおばちゃんが米兵側にやってきて、赤ん坊を助けてくれアピールをして、米兵がよってきたら、おばちゃんが腹にまいた爆薬で米兵を巻き込んで自爆するという描写がありました。その後、米兵側に逃げてくる民間人を盾に、日本兵が突撃するんですけどね。卑劣なジャップの戦術というわけです。
沖縄戦では民間人が戦争にいろんな形で巻き込まれたのは事実なんだと思うんですけど、民間人を人間爆弾にしたてて戦術的に利用するみたいな露骨な形の話は聞いたことないんで、なんか元になる事実みたいなのはあんのかな、とちょっと気になりました。別に直接的な元ネタがない創作だとしてもアリだとは思うんですけど、これが創作だとするとライトウイング関係の人がだまっとらんのではないかと。
そういうわけで、軽くググッてみました。ザ・パシフィックは実際に太平洋戦争に参加した人物をモデルにして、モデルの人の書いた手記なんかを元ネタに構成してるんですけど、どうもそういう元ネタの手記には沖縄の人間爆弾の記述はないようです。で、まあそんなに盛り上がってはないですけども、ちらほらとライトウイング方面の方がブログで批判記事は書いているのをみかけました。まあでも、ネット上ではやはり相手が韓国や中国じゃないと、それほど盛り上がらないみたいだなあ。
ちなみに、元ネタのひとつはユージン・スレッジの「ペリリュー、沖縄戦記」という本で、著者のユージン・スレッジはザ・パシフィックの中では主要キャラの一人として描かれています。せっかくなんでちょっと読んでみようかなと思います。
ペリリュー・沖縄戦記 (講談社学術文庫)

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関係ないけど、ザ・パシフィックではJapやNipという日本人に対する差別的な呼び方がばんばんでてきますけど、昔漫画内で「ジャップ」という言葉を使おうとしたら、差別語だからやめてくれと言われて「日本人」にしたことを思い出しました。