正月消しゴムがけ

去年の年末の30日タイミングよく原稿がひと段落したので、今年は三が日くらいはゆっくりしようか〜と思っていたら、6日までダラダラすごしてしまいました。世間に流れる正月気分にシンクロしてしまったらこれだよ。おそろしい。
で、正月は積んでた本でも読もうかと思って、去年の年末にアマゾンのマーケットプレイス(古本屋の出品をアマゾンがとりつぐサービス)で買った本を一日から読み始めました。

断片と全体

断片と全体

この本の著者デヴィット・ボーム博士は相対性理論量子力学が発展した20世紀に活躍した物理学者で、その道では一流といってもいい人物だと思うんですが、この本は物理学の本ではなくて、ボーム博士の探求が物理学の枠組みから飛び出して、なんか違う世界にいっちゃった感じの理論について書かれた本です。
新しい物理学的知見と古代からつづく神秘主義的思想をフュージョンさせて、新たな世界観を提唱したという感じで、まあ80年代〜90年代のニューエイジ・ムーブメント的な感じです。実際のところボーム博士はニューエイジの旗手などと言われることもあるようです。
こう書くと、激しく胡散臭い本のように思われるかもしれませんが、まあ真面目な内容なんですよ。
しかしながら、ここで書きたいのは内容の話ではなくて、物理的物体としての本そのものの話なんです。基本的にマニアックな本だしアマゾンに新刊が無く、しかたなく中古本を買ったんですが、届いてみたら本文中に前の持ち主が書き込んだものであろう、鉛筆書きの傍線や囲み。ページの余白にはメモ。これがみっしりページ見開き一面に書き込まれていて、そういうページが全体の2/3くらいありました。
「お前、中学生のころ参考書に蛍光ペンでアンダーラインを引きまくって勉強した気になって、結局頭にはいってなくてテストの点は悪かったような奴だろっ!!!」と想像上の前の持ち主に悪態をつきながらも、読み進めようとしたんですが、もともと内容がわかりにくいというのもあるんですが、他人が引いた傍線等があると、ものすごく気が散って読みにくいもんですね。結局いらいらしてまともに読めませんでした。で、不幸中の幸いと言おうか、書き込みはすべて鉛筆で筆圧も低い感じだったので、全ページ消しゴムがけを敢行したのでした。200ページそこそこの薄めの本ではあるんですが、正月早々どこのだれが書いたのかもわからん鉛筆の落書き(書いた本人にとってはそうじゃないだろうけど)を消すのは、なかなかに虚しい作業でした。
もしかしたら、世の中には傍線引いたりしながらじゃないと本を読めない人っていうのがいるのかもしれない、などと思ったんですが、そういう人は古本屋に本を売らないで欲しい!あと、アマゾンのマーケットプレイスでは出品者の評価ができるんですが、1つけるから!