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フルデジタルへ
去年の年末に紆余曲折の末、近代科学が生んだ奇跡のデバイス、液晶タブレットCintiq21UXを購入したのでした。
Wacom 液晶タブレット 大画面21.3インチ 画面にダイレクトに、ペンで描く Cintiq21UX DTK-2100/K0
- 出版社/メーカー: ワコム
- 発売日: 2010/03/26
- メディア: Personal Computers
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左が下描きからPC上で描いたもの。右がアナログでペン入れ、PCに取り込んで仕上げしたものです。キャラは「漆黒のノイエゼーレ」のヒロイン(?)です。左の方が線が若干ウェットな感じでいいかなと。まあ、最終的には実際に紙に印刷されてみないとなんともいえないんですけどね。
デジタル作画注目ポイント
自分がフルデジタル作画へ移行したいと思っているということもあって、最近は漫画を読むときにどの程度PCを使っているのかが気になります。そういう目で漫画を読んでると、こないだまでアナログで描いてた人が、デジタルに移行してて、しかもちょっと残念なことになってたりして、デジタル作画に不安を感じることもあります。もちろん逆に、デジタルに移行しててもまったく遜色ない場合もあります。また、イメージ的にPC駆使してそうな人がどうもアナログぽかったり、その逆もあったりしておもしろいです。
しかし、実際のところ漫画を読んでデジタル作画かアナログ作画か判断できないことも多いんですよね。ていうか、わからないことの方が多い気がします。
ひと昔前はデジタル作画といえば、グレースケールで連続的な陰影表現をした作品を指すような時期もありました。もちろん今でもそういう作品はかなりあって、これは一目でデジタル使ってるなとわかります。この手法の出始めのころは、陰影つけるのをがんばりすぎて画面が暗く見難くなり、「だからCGはダメなんだよ」とアンチCGの人に言われたものですが、最近はその辺りの加減が良くなって、画面も見易く、おっぱいもやわらかそうな作品が多くなっていると思います。例を挙げると「学園黙示録ハイスクール・オブ・ザ・デッド」(HOTD)なんかがあります。売れてます。
学園黙示録 HIGHSCHOOL OF THE DEAD SECRET BOX
- 作者: 佐藤ショウジ,佐藤大輔
- 出版社/メーカー: 富士見書房
- 発売日: 2010/12/20
- メディア: コミック
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余談ですが、漫画を描かせてもらったので、このHOTDシークレットボックスを1セットいただきました。グッズのひとつである「高城沙耶ぶっかけパスケース」がなかなかすばらしいです。これはヒロインの一人、高城沙耶ちゃんのイラストをあしらったパスケースなんですが、パスケースが透明な素材でできていて、さらに表面が二重になってるんですね。そしてその二重になった部分に白い液体が封入されておるわけです。見た目はこんな感じです。
特に説明の必要もないと思いますが、これを考えた奴は天才、もしくはキチ○イやでぇ。
さて、デジタル作画の見分け方ですが、わかりやすいトーン処理以外では、作画ソフトの補正機能による不自然に美しい線があります。コミックスタジオ等のデジタル作画でよく使われるソフトには、線の補正機能というのがあります。これはタブレットを使ってフリーハンドで線を描いたときに、リアルタイムで線のゆがみや、でこぼこ、入りと抜きのシャープさなんかを補正してくれる機能です。たしかに線がきれいなんですけど、やっぱりちょっと不自然に感じるときがあるんですよね。この機能は使いどころを考えないと、変になっちゃうような気がします。もっとも、あからさまに補正機能を多様してる漫画というのは、めったにみないですけどね。
最後に、もっともデジタル作画であることがわかりやすい部分はどこかというと、それはワク線です。ワク線がピシッと直線で、くっきりと角のエッジが立ってるのはデジタル作画です。ワク線がちょっとよれてて、角が丸くなってたり、はみだしたりしてるのは、少なくともワク線は手で引いてるということです。アナログでペン入れまでする場合は、ワク線も手で引くことが多いんじゃないかと思うので、逆にいえばワク線がデジタルなのはペンもデジタルでやってる場合が多いと言えるんじゃないかなと思います。
もっとも、ペン入れはアナログでして、PCに取り込んだあとワク線をいれ直す、かっちりしたワク線が好き!という人や、デジタル作画だけどアナログぽい画面にこだわりをもっていて、PC上でツールではなく手描きでワク線を描いている変態とかもいるかもしれませんが。
というわけで、僕も今年中にはフルデジタル作画に移行したいと思ってますので、その時には僕のガチガチにいきりたった枠線の角をご覧いただきたいと思っております。