スイーツ(笑)

昨日の日記では、恋愛至上主義 sucks!という声無き声に対して、一定の共感を表明したんですが、それとは矛盾するようですが「素敵な恋がしたい!」てな感じの女性をターゲットにつくられたハリウッド映画、ある意味で恋愛至上主義的な価値観で塗り固められたような映画が、意外に嫌いではありません。ていうか、けっこう好き。てへっ。
劇場まで観にいったりはしないですけど、レンタルではたまにその種の映画を借ります。ここ最近だと、キャメロン・ディアスの「ベガスの恋に勝つルール」とか、サンドラ・ブロックの「あなたは私の婿になる」とか観ましたな。

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この手の映画は、だいたいプロットが決まっていて、最終的にはヒロインと男がラブラブに結ばれるんですが、最初の段階ではお互いに相手に対して否定的な感情をもってるんですな。いけすかねえ男(女)だと。しかし、なんらかの事情で敵対してる男女が一緒にいなければならなくなるわけです。そんで、一緒に行動してる間に、相手のことを徐々に知るようになっていき、「何こいつ、そんなに悪い奴じゃないかも…!?」的な感じになって、さらになんらかのきっかけで、自分の心に素直になり、最終的にはラブラブになって結ばれるってわけです。よかったねと。
特に重要なのは、最初の設定だと思います。いかに好きでもない男女が一緒にいなければならない、おもしろい設定を考えるかですね。「ベガスに勝つ恋のルール」だと、ラスベガスで酔っ払ってノリで結婚した男女が、正気にもどってすぐ分かれるつもりだったところで、スロットマシーンで大勝してしまい、その大金の権利を主張するために分かれられなくなります。「あなたは私の婿になる」は、カナダ人のキャリアウーマンであるサンドラ・ブロックが不注意で労働ビザが切れてしまうんですが、アメリカで働き続けるために部下の男と偽装結婚するという話です。一緒にいる理由が、けっこう打算的なのがポイントかもしれません。打算的な方がコミカルなニュアンスが出るし、なんとなく現実的な感じもしますな。
初期設定がうまくいったら後は、「こいつ実はいい奴じゃん」とか「この人、強がってるけど意外に弱いところがあるんだ」とか、そんな感じのエピソードを挿入していけばokです。ヤンキーだけど、雨の中捨て犬に餌をやっていたとか、そんな感じでもいいです。てめぇアメリカンラブコメ映画disってんの!?と思われる向きもあるかと思いますが、初期設定の趣向を楽しみ、後は予定調和を楽しむのがこの手の映画の楽しみ方ではないかと、個人的には思います。
まあでもハリウッドの女性向け映画でも、こういうシンプルプロットのラブコメ以外のものもありますわな。僕は「プラダを着た悪魔」なんかかなり好きです。この映画では恋愛はメインテーマじゃなくて、仕事の中で成長する女性を描いた映画って感じですかね。ヴォーグかなんかの有名ファッション雑誌の内情を描いた小説をもとにした映画で、アン・ハサウェイ演じるヒロインがメリル・ストリープ演じる鬼編集長のもとでいびられながらも成長する姿を描いてます。欠点をあげるなら、設定ではファッション業界にとびこんできたファッションにあまり興味ないダサい姉ちゃんが、いったん挫折するも心機一転ファッションに真正面から取り組んで華麗に変身!みたいな感じになっとるんですが、なんとういうかアン・ハサウェイが最初からかわいいから説得力を感じないところですかね。
鬼編集長を演じてるメリル・ストリープがなかなかいい味を出してまして、ラストの展開はなかなかすばらしいと思いました。なめて観てると、ガツンとやられるというか。映像もおしゃれでテンポも良く、いい映画だと思います。
以上ようなことを、担当編集さんに電話で熱く語ったら、「スイーツwww」と言われました。