オレはオレで、アイツもオレで

昨日はハリウッドラブコメについて中途半端に語ってみたんですが、今日はハリウッドラブコメからインスパイアされて漫画の企画を考えてみたいと思います。要は、「初期状態においてお互い嫌ってる男女が、なんの因果か一緒に生活しなくてはいけなくなり、やがてウフフ」というテンプレを用いて、ひとつ漫画の企画を考えてみようかなと。
さて、まずは主人公とヒロインの設定です。やはり重要なのはヒロインです。初期状態において主人公を嫌っていて、やがて…というと、キャラ類型的にいうとやはりツンデレヒロインがもっともしっくりきますかね。僕が思うに最近の作品に登場するツンデレ系のヒロインって、けっこう言動がキツイと思うんですよね。例えば去年アニメがやってた「俺の妹がこんなに可愛いわけがない」の妹とかね。ちなみに、僕は黒猫ちゃんが好きです。

このツンデレ系ヒロインの”ツン”が年々強烈になってくるという現象は、やはり読者に”ツン”耐性ができてしまっていることが原因と推察します。薬のたぐいも常用してると耐性ができてしまって、効果を得るためにだんだん摂取する量が増えてくるのと同じです。そういうわけで、ツンデレ系ヒロインを設定するにおいて、ちょっときつめの味付けにするべきだと思うんですよ。そういう考えに基づいてヒロインのイメージカットを描いてみました。

主人公とヒロインは幼馴染で、子供のころは一緒に遊んだり、一緒にお風呂にはったりしてた仲なんですけど、長じて主人公はオタク趣味の少年になり、顔をあわす度にヒロインに「臭せぇ!」だの「死ね!」だの言われておるという。そういう感じです。
主人公のビジュアルについてですが、そこは特に特徴の無い、漫画的平均的主人公の無難なビジュアルでいいかなと思います。いやまあ、ここでリアリティを追求すべきかもしれないとも思うんですが、こういうとこでリアリティを追求するのは余計な作者のエゴとかオナニーとかであって、エンターテイメント作品では避けるべきことだと思うんですよね。まあ、「こんな普通のビジュアルの主人公に対して、キモオタとか死ねとか言うのおかしいだろ?」というツッコミもきっとあるかと思うんですが、そもそもそういう発想がでてくる素直じゃない人は読者として想定する必要はないと思います。すべての人にうける作品を作るのは無理です。想定する読者をしぼりこむというのは大事なことです。甘美な嘘を売るのがエンターテイナーです。
で、この二人が一緒に生活せざるえないギミックですが、ハリウッドラブコメなら現実的な設定をもってくるところですが、ここは漫画だしファンタジーな感じにしようかなと。よく男女の中身がいれかわるお話があるじゃないですか。男女がドーンとぶつかって、気づくと男の精神が女の体に入ってしまい、逆に女の精神が男の体にはいってしまうみたいな。漫画じゃないけど「転校生」みたいなですね。
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それをちょっとひねって、男女がドーンとぶつかって、女の精神が男の体にはいってしまったんだけど、男の精神はそのままというのはどうかなと。つまり男の体の中に二人の精神が同居する形になるわけです。体の主導権は男がもってるんですが、女の方も感覚を共有してて、テレパシー的な感じで頭の中で会話できるという感じです。ちなみに、女の体の方は意識不明状態。
主人公が、便所いったりお風呂はいったりする度に頭の中でヒロインの罵声がひびいて大変なわけです。ちなみに、主人公の頭の中に存在するヒロインを絵で表現することは漫画なら十分可能ですが、これが実写ならかなり珍妙になってしまいそうです。このあたり漫画という表現手段の得意な何かがあるのかもしれません。
こうしてコミカルなドタバタ展開が続いていきます。そのうち、主人公も頭の中のヒロインに嫌がらせをして、いままでの復讐をしたりして。ヒロインの水着写真をオカズに自慰行為をしてみたりね。怒りつつ、恥ずかしがりつつ、ちょっとだけうれしいヒロイン。ここ萌えポイント。


ちなみに、一人の肉体に男女二人の精神がやどるってネタは、けっこうありがちな気もします。具体的に作品名は思い出せないんですが、何かあった気がする。昨今、パクリにはうるさい世の中なので心配です。しかし、過去の作品とネタかぶりが無いかすべてチェックするってのも現実的には不可能なわけでして、結局ひらきなおるしかないですね。常に「パクリじゃないよ。オマージュだよ。」と言い切れる気迫だけは持っておきたいものです。


さて、主人公はヒロインに性的な嫌がらせをするだけではなくて、ヒロインが体を取り戻すために、がんばったりもするんですよ。ヒロインの体は原因不明の意識不明状態ということで、病院に寝かされてて、その肉体に会うために病院に侵入したりね。そんな感じでいろいろあって、主人公とヒロインはお互い理解を深め、お互いの本当の気持ちに気づいたりなんかしていくわけです。まあ、この辺りは適当でいいです。連載漫画はライブ感が重要なんです。あんまり先のことまで考えてると勢いが死ぬんです。適当にいきあたりばったりでいくのが正しいやり方なんです。
まあでも、最後のオチだけはある程度考えておいたほうがいいですね。ヒロインの精神が主人公の体にやどったというのは、全部主人公の妄想だったというのはどうですかね。主人公とヒロインがぶつかって、ヒロインは意識不明の重態になってしまい、その責任を感じた主人公が精神を病み、自分の中にヒロインがいるという妄想にとりつかれていたんだよっ!なんだってえ〜!みたいな。「各所にちりばめられた幻想的な描写が、ラストにひとつのリアルに収束していく様が圧巻である。今年一押しの漫画作品だ。」てな感じで、「このマンガがすごい」でとりあげられそうな気がひしひしとします。

このマンガがすごい! 2011

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「このマンガがすごい」読んだことないけど。