汚部屋


僕の部屋の写真です。スチール棚によって仕切られた奥が仕事スペース、手前が就寝スペースです。どうですかね、普通の感覚からするとかなり雑然として汚い部屋ですかね。僕としてはわりとがんばってきれいに使ってます。前に大阪に住んでいたころの部屋は全然こんなもんじゃなかったです。探せばそのころの写真もでてきそうなので、いずれご紹介したいと思います。
上の写真は六畳の部屋の入り口から、広角レンズをつけたデジタル一眼カメラで撮ったものをトリミングしたものです。カメラは、写真にほとんど興味の無い僕のものではなく、同居している父親のものです。父の趣味が写真なんです。ここ十年ぐらいはデジタルカメラを使用していて、ニコンのデジタル一眼をいくつか所有してます。デジカメなので撮った写真はPCで微調整したり保存したりするんですが、PCの世話は僕がやらされています。
僕はいまいち写真を撮ったりするのは苦手というか興味が続かないんですが、やっぱり漫画の背景の資料のために、自分で写真撮ったりするべきじゃないのかなと、気の迷いが生じるときがたまにあります。実際写真撮ったからってめんどくさいからあまり参考にすることはないんですけどね。背景を適当に描く漫画家の会というのがもしあれば絶対会員になるくらいです。
まあしかし、気の迷いが生じて、資料写真を撮ろうかと、そしてやはり漫画の資料写真といえば広角レンズだよな、と思い立ったのでした。そういえば父が一眼レフをもっていたなと思って、広角レンズを持ってるかと尋ねてみると、持ってないんですよこれが。よくわからんけど、父は望遠レンズを使って撮るような遠い風景写真の専門らしいです。それに広角は高価なので酔狂でそろえるようなものでは無いと。「まあ、広角なんか宴会で集合写真を撮るときにしか使えんわ。」と、負け惜しみだかなんなんだかわからない"広角レンズdisり"まではじめる始末。
ネットで広角レンズの価格を調べて見ると値段はピンキリで確かに高いものはとても高いです。まあ高いのは広角に限らないけど。しかしニコン純正のものじゃないなら二万円台のがあったので、これなら買ってみてもいいかなと思いました。
そういうわけで安い広角レンズだけ僕が買うので本体を使わせてねと父に言うと、それは許可しないとのお言葉が。理由を要約すると、どこの馬の骨かわからんレンズをワシのニコンたんにはめるのは許せん、ということらしい。まあしかし、ニコン純正のレンズなら許可してもいい、その場合ワシが半額出して共同出資で購入してもよい、と。
うちの父はデンタル一眼ならニコン、コンパクトデジカメならキヤノンという、ようわからんこだわりがあるんですよね。しかも周辺オプションに対する純血主義。まあ、「ワシにはこだわりがあるっ!」って言いたいだけちゃうんか、と思うんですが、まあいいかと思ってオファーを受けることにしました。結局父が選らんだニコンの広角レンズ、お値段七万円代後半(それでも安い部類)を買うことになり、僕は四万円出資したのでした。当初の予定より余計に金を払うことになり、なんだか詐欺にあったような気分です。
そして通販で買ったレンズが到着し、父は、ワシが死ぬまでに我が町の何気ない表情を写真に残しておく、とかいってノリノリになってます。広角レンズをdisってたのはなんだったんだよと。そして、そもそも僕が資料写真撮るために買ったんですが、僕は自分の部屋の写真を撮ったらもう満腹感を感じているのでした。


この文章書いている間に、大阪に住んでたころの部屋の写真のありかを思い出しましたので、スキャンしてみました。

あらためて見るとそれほど汚くないなあ。ていうかなんかの事件の現場みたいだ。ちなみに、いまだにこの部屋に住んでいる夢をみることがあります。「やべぇ〜。大家に見つかったら殺されちまう!」みたいな感じで焦っている悪夢がほとんどです。
かつては大阪のこのワンルームマンションで一人暮らししながら漫画を描いてたんですけど、まあ漫画の方があまりうまくいかなかったり、このままの生活では続けていけないなという状況になりました。そのときに、漫画を続けるにはできるだけ生活のコストを下げて防御重視でやってくしかないなと思い、実家に帰ってきたのでした。もう5、6年になりますかね。まあ帰れる実家があるというのが、そもそもすごく恵まれてるんですけどね。
まあしかし"田舎に帰る"というのは、"夢に挫折した敗残者"的なイメージがやはりあって、自己イメージ的にというか、世間体的にというか、内心は忸怩たる思いって言うかね、そういうのが無いわけではありませんでした。しかし、「闇金ウシジマくん」を読んでもわかるように、人間というのはちっぽけな見栄のために泥沼に落ち込んでいったりするんですよ。ええ。

闇金ウシジマくん (19) (ビッグコミックス)

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今は実家に帰って細々と漫画を描くという選択は、いい選択だったなと思ってます。