激動の昭和

夜、布団をかぶり眠りに落ちようというとき、頭の中に過去のいろいろな記憶がよみがえり、自分のいままでの人生において迷惑をかけてきた人、不義理をしてきた人に対して、ひとりひとりを尋ね歩き、額を地面にこすりつけ土下座して謝りたい!という衝動に駆られ、「ア〜ッ」と声が出てしまうことは人間なら誰にでもあることだと思います。あるある。
ずいぶん昔のことになるんですが、いわゆる腐女子の方と同席させていただいたことがあります。細かいシチュエーションの説明は避けますが、その方がボーイズラブ的な同人誌を読んでおられたんです。僕はあまりそっち方面のモノを読んだことがなかったんで、一度みてみたいと思って、その同人誌をちょっと見せてくださらんか、とお願いしたんです。その方はこころよく同人誌をみせてくだいました。それは少年ジャンプの人気漫画のパロディだったんですが、僕はその同人誌をうけとってパラパラめくるなり我慢できずにふきだしてしまったんですよね〜。ずいぶん気分を害されたことと思います。すいませんっしたッ!
だからというわけではないですが、以後やおい的なものに一定の興味をもっています。やはり漫画家たるもの、いろんな人の思考を自分の中でシミュレートしてみることは大事だと思うんですね。だから、腐女子心理を想像して少しでも理解しようと日々努力しています。ホモが嫌いな女子なんかいません的真髄を会得したいというか…。
うん。自分の漫画の中でネタにして笑いをとりたいと思っているだけです。すンませんッ!


そこで少し考えてみたんですが、昨今は「歴女」などといって、歴史上の人物をネタに妄想の翼をはばたかせている腐女子のお姉様方が多いようですが、昭和の陸軍軍人のボーイズラブものってのはどうですかね。なにがボーイズじゃというツッコミはおいといて。
とりあえず考えてみました。登場する軍人は、石原莞爾東條英機辻政信の三キャラです。
石原莞爾は、現地軍の独走で満州事変をおこしちゃった首謀者でありながら、その功績で出世しちゃったという、昭和陸軍の暴走のきっかけをつくっちゃったような人なんですが、天才肌で常識破りなエピソードも多く、おもしろい人です。

最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀)

最終戦争論 (中公文庫BIBLIO20世紀)

東條英機は太平洋戦争のときの首相だったので、日本を戦争に導いた独裁者的に言われることもありますが、実際のとこそんなカリスマリーダーではなくて、勤勉だけど融通のきかない小役人的な人かなと思います。人情に厚いですが、それがネガティブな方向に発現することも。
東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)

東條英機と天皇の時代 (ちくま文庫)

辻政信は、戦争中は新聞で「天才参謀」なんて書かれたりした人です。が、この人って絶対躁病とかの心の病いだわと思ってしまうほど超アッパー系のめちゃくちゃなお方。すごすぎる。2ちゃんねるのそれ系板では「辻ーン」なんて呼ばれています。元ネタはファーストガンダムらしい。
潜行三千里 増補版

潜行三千里 増補版


この三人の愛憎を軸に激動の時代を描く大河腐ドラマとかNHKでやらないかな。東條は自分の子飼いの部下の辻を寵愛してるんですけど、ある日ピロートークで辻が石原のことを話すのを聞くんですよ。「石原さんはすげえっすよ。オレもやがては満州事変以上の手柄をたてて、成り上がってやるっすよ。石原さんかっけー」みたいな。
東條は性格的に糞まじめなんで、天才などと呼ばれけれん味のある石原が嫌いなんですね。よりによって自分の愛する辻が石原を尊敬してるなんて。そんな東條の心など想像もできずにテンションが上がっている辻。辻のそんなワンパクなところもかわいいと思う東條ではある。でも、辻と石原がいちゃいちゃしてるところを想像すると嫉妬で気が狂いそうになるのであった。
それで、嫉妬深い東條は石原を陥れることにするんですが、規則とかに異様に厳しい東條と、規則にこだわらない石原というキャラを生かして、石原の規則違反を東條が厳しく追及していくという流れでいいかなと思います。
で、そこで用いられる規則ですが、僕の記憶によると、大日本帝国陸軍には軍服のズボンをはくときに金玉の位置をどっちによせるかという規則があったと思うんですよ。右か左か忘れたけど。いわゆるチンポジですね。たしかこの本で読んだ気がします。

この規則をタテに東條が石原を追及するという展開がいいと思います。ちんこネタ。やおいだけに。


以後、どろどろの愛憎劇が展開します。キャラの関係性としてはけっこうボーイズラブとしていい感じにいけるんじゃないかなあと思うんですが。しかし、ビジュアル的なことを考えると、まさかリアリティ重視で坊主頭で丸眼鏡のおっさん達をからませても訴求力はないでしょうから、イケメン美少年的なビジュアルにする必要があると思うんですよね。
でも想像するとやっぱりしっくりこないですね。やはり時代がまだそんな昔のことでもないからかなあ。このネタは後100年くらいは寝かせたほうがいいかもしれませんね。