回想と野望

昨日の日記では己の変態的傾向をプチカミングアウトしてみましたけど、僕の描く漫画ではその辺りの嗜好ってそれほど反映されてません。基本ギャグ漫画なんで、あまり反映させるチャンスがないからなんですけどね。ただ、初期のころはその種の嗜好が反映した若干猟奇気味な漫画を描こうとしてましたね。
漫画家になろうと思って成年漫画雑誌の賞にかたっぱしから投稿してたとき、最初に仕事くれたのがワニマガジン社のいまはなき「激漫」と、司書房の「ドルフィン」だったんですよ。ドルフィンの方は出版社ごとなくなっちゃいましたけど。この両雑誌で並行して漫画を描き始めたんですが、やはり新人なんでいろいろプロットを提出して、その中から編集さんが良さそうなのを選んでネームにしていくみたいな感じだったんですね。実際いろいろなプロットを提出したんですが、結局ギャグやコメディ調のモノの方が編集さんにウケがよかったので、そういう方面のモノを主に描くようになって今にいたるという感じです。
思い起こせば当時はけっこうひどいプロットを提出してた気がします。例えば荒地に孤立した開拓農民をターゲットにした強盗団が、農民の一家をレイプして皆殺しにする漫画とか。ちなみに、これの元ネタはマルセル・エイメって人の「クールな男」って短編小説なんですけど、よく知らずに買って読んでみたらおもしろかったので、こんな漫画描いてみたいなと思ったのでした。

クールな男 (福武文庫)

クールな男 (福武文庫)

他には、遺伝子操作によってつくられた猫耳人間が通常の人間に奴隷として使われているという世界観のもとで、猫耳少女を大切に育てる施設の話とか。猫耳少女は外国の高級な寄宿舎つきの学校みたいな優良な施設で、かわいくてやさしくてかしこい美少女に育てられるんですが、ある一定の年齢に達すると大金を払った大金持ちのもとに出荷されていくんですよ。そういう金持ちのなぐさみものを生産する施設なわけです。可憐で純粋なものをぶちこわすことに喜びを見出す変態の下種野郎に買われていって、酷いことをされまくるんです。お〜こわっ。
まあ、当然と言うかなんというか、こういうプロットは却下されました。編集さんの正しい判断だったと思います。まあでも、ドルフィンの方では初期このろはバッドテイストなエロ漫画もいくつか描いたような気がします。司書房から出してもらった僕の一番最初の単行本にも、上のプロットと近い世界観の猫耳少女モノが採録されてます、そういえば。


話がそれますが、最近話題のアニメ「魔法少女まどか☆マギカ」は、僕のこの種の琴線にふれくる優良作品です。

魔法少女という題材でダークな話をするという、コンセプトの勝利ですね。魔法少女っぽいキュートなOPアニメとか、製作者の根性の悪さがにじみでていて素敵だと思います。


まあ僕も変態的嗜好を前面に押し出した漫画を描いてみたいなあという気持ちはあるんですが、当面は描く機会がなさそうです。そのうち時間ができたら、そういう同人誌でもつくってみたいなと思います。