お猿音頭

最近ちょびちょび読んでいる本。

人類が各大陸で発展の度合いが違ってしまったのはなぜか?なぜ、ヨーロッパ人が銃を発明して、アメリカ大陸の先住民を征服できたのか?というような人類史における疑問を考察した本ですかね。
ヨーロッパ人は頭がよくてインディアンはバカだから的な、人種や民族というものに固有の能力差や性質の差があるからという説明が、往々にして好まれたりするわけですが、この本の結論は別の要素が何千年ものを時間を経た結果、大きな差になったというものです。その驚愕の要素とは!?

それはともかく、少数のスペイン人がインカ帝国を征服できた直接的な原因として、銃や馬以外に病原菌が重要であったというのが、おもしろかったですね。知ってる人には常識的なのかもしれないですけど、知らなかったんで。
つまり、ヨーロッパ人とともに持ち込まれた病原菌は、ヨーロッパ人は免疫をもっているからあまり発病しないけど、新大陸の人間はまったく免疫が無く、大流行してごっそり死んじゃったということらしいです。なるほどなあ。

そして今日観た映画。

古典的名作SF映画「猿の惑星」の前日譚的な映画ですかね。お猿がいかにして、地球の支配者になったか的な。アルツハイマー治療薬の生体実験に使われていたチンパンジーが、知性化され、やがて人間に反乱を起こすという内容なんですけど、観ながら「でもこれ一時的に人間を圧倒できても結局は人間に鎮圧されちゃうんじゃね?数的にも武器的にも。」と思いってたんですけど、そこに登場したのが病原菌でした。猿を知性化するウィルスは猿には無害だけど、人間に対しては致死的な副作用を持っていたんだよ。なんだって〜。という感じで。たまたま上記の本を読んでるところだったので、なるほどなあと思ってしまいましたよ。
ただし、映画的にはお猿軍団が一時的な勝利をおさめるところまでが描かれていて、病原菌によって人類が壊滅するところは、エンディングの部分で暗示されるだけにとどまってました。だから、映画的にはちょっと淡白な印象でしたかね。
僕は、けっこう猿軍団に感情移入して、さっさと人類滅亡しちまえ!と思いながら楽しく観てたんですが、実際のところは猿には感情移入できないという人も多いんではないだろうか。猿に感情移入できなかったらぜんぜんつまらん映画だろうなあ、これ。