メタなギャグなのか、そうでないのか
ツタヤの”ツタヤ独占レンタル!”戦術にまんまとひっかかってしまっている今日このごろです。なんか心の奥でプレミア感を感じてしまっているんだろうな。くやしい。ビクンビクン。
そんなわけでレンタルした映画が「タッカーとデイル 史上最悪にツイテないヤツら」です。以下ネタバレ有り。
- 出版社/メーカー: トップ・マーシャル
- 発売日: 2012/04/20
- メディア: DVD
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とまあ、そんな感じの映画です。登場人物がほぼバカばかりで、ゆるい展開の中、大学生が死ぬシーンだけは、本格ホラー映画ばりに残虐に死んでいくブラックな感覚がおもしろいです。僕はこわがりなんでホラー映画はあまり観ないので、パロディネタがどのくらい含まれているかは残念ながらよくわかりませんでしたが、けっこうパロディネタが仕込まれているのかもしれません。
そんな感じで内容的にはまあまあ楽しめたんですが、ひとつ気になった点がありました。
殺人者と間違われるデイルは、デブで髭面のおやじなんですが、見かけによらずやさしい性格で、女の子とまともに喋れない純朴中年。で、最初に湖で溺れて抗争の原因になる女子大生は、見かけで人を判断しないいい娘。バカコメディ映画とはいえ、というかバカコメディ映画だからこそ、最後にこの二人が結ばれるという展開にすれば、映画が安定するし、後味もよくなるだろうし、おそらくそうなるんだろうなと思いながら観てたら、予想を裏切られることなくそのとおりになりました。
それはいいんです。いや、僕としては裏切って欲しかったとこもあるんですけどね。
ただねえ、事件がおわった後、純朴中年は、いい娘な女子大生をボーリングデートに誘うことに成功し、キスなんかもしちゃってハッピーエンド感満載で映画は終了するんですけど、女子大生のお友達の大学生、男女あわせて5,6人くらいは森の中で非業の死を遂げてることを考えたら、イチャイチャしとるこの二人がとうていまともな神経の人間には思えないんですよね。
そこで僕が思ったのは、この終わり方というのは、矛盾があろうが強引だろうが、とにかく最後はハッピーエンドでいい後味!とストレートに考えてそうしたのか?あるいは、そういう「とにかくハッピエンド!」という、ひとつの映画におけるパターンというか考え方を、おちょくるために、つまりメタなギャグとして、あえて強引にハッピーエンドにしているのか?どっちなんだろう、ということです。
ちょっと僕は判断しかねました。まあ、判断しかねる時点ですでに失敗なのかもしれないけれど、自分を振り返ってみると、僕もストレートに描いてるのかギャグで描いてるのか、読者にとっては判断つきかねるような漫画をけっこう描いてるんではないかと。なんかちょっと反省させられたのでした。