おいら稲妻ってんだ

ドラゴン・タトゥーの女」といっしょに借りてきたDVD「ブリッツ」を観ました。

ブリッツ [Blu-ray]

ブリッツ [Blu-ray]

ハゲ親父のあこがれの的、ジェイソン・ステイサム主演の刑事アクションです。
他のDVDを借りたときに予告編で、この映画の紹介をみて、そのうち観ようと思っていたのでした。ちなみに僕は、DVDにはいっている予告編を観るのが好きで、とばさずに全部観ます。予告編ではサイコ殺人鬼っぽいやつが「俺はブリッツだ!ブリッツクリーグのブリッツだ!(as in Blitzkrieg)」と言ってたので、こいつはネオナチかミリオタなんだなと思ってたら、全然違ったよ。
この映画、ステイサム演じるところの野蛮刑事が、警察官を狙って殺す連続殺人鬼と対決するアクションものなんですが、ぶっちゃけプロットがダーティーハリーとすごく似てるんですよね。ダーティーハリーの一作目。昔みたっきりなんで細部ははっきり覚えてないんですけど、パクリという名のオマージュといえるんじゃないでしょうか。
刑事が殺人鬼をつかまえるんだけど、法律上の問題で殺人鬼を起訴できずに、野放しになってしまう。しかたないので刑事が私刑しちゃう。という流れが同じです。ダーティハリーの場合は、容疑者が証言した場所から被害者の死体が発見され、本来ならそれが決定的な証拠となるはずなのが、その証言がハリーの拷問によって引き出されたものなので、法的な有効性が認められず、犯人が不起訴になるという感じだったと思います。重要なことは、容疑者が真犯人であることが映画の視聴者はもちろん、劇中の刑事にとってもあきらかだということです。だから、クライマックスで、法で裁けぬ悪を俺が裁く!的な私刑がなりたつわけです。
ところが、ブリッツの場合ですが、容疑者が証拠不十分で不起訴になるんですが、視聴者にとっては容疑者が真犯人なのに野放しになってしまったことがわかります。なぜなら劇中で容疑者が警官を射殺したり撲殺したりするところが描写されてるから。しかし劇中のステイサム刑事視点で考えてみると、かならずしも容疑者が真犯人とはいえないと思うんですよ。たしかに状況証拠や動機はあるし、容疑者は性格破綻者のサイコやろうであるんですが、かといって真犯人といいきれる証拠はないはずなんですよね。
ですから、そう思ってみると、クライマックスシーンにちょっと疑問が生じるというか、そんな不確定な刑事の勘だけで私刑執行してもええんか!?という感じにはなります。ただまあ、ラストは容疑者をあえて罠にかける展開で、ステイサム刑事を殺そうと銃を向けた容疑者を逆にぶんなぐるという展開なので、ステイサムに銃を向けたことがこいつが真犯人の証拠だということかもしれないな。でも、ダーティハリーの方がすっきり納得はできますね。