War Horse
スティーヴン・スピルバーグ監督の「戦火の馬」を観ました。これはよかったです。
- 出版社/メーカー: ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社
- 発売日: 2012/07/18
- メディア: Blu-ray
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第一次世界大戦といえば、塹壕戦というイメージがあります。小火器の進化によって、それまでの戦争のように野原に散開して撃ち合いするとすぐ死んじゃうようになったので、敵の弾を避けるために地面に溝=塹壕を掘って敵と対峙する戦法が主流になり、泥だらけの劣悪な塹壕内での地獄のような持久戦がくりひろげられた、みたいな感じでよくものの本などには書いてありますが、この映画ではそれがビジュアル的に具体的に表現されていて、ああこういう感じなんだなーと思いました。
機関銃をすえた塹壕防御陣地のような、防御側有利の状況を打破するために戦車が発明されて運用されたのも第一次世界大戦が最初ですが、この映画でも少しですが初期の菱型の戦車(マーク4戦車?)がでてきます。他には第一次大戦で使われたものとして、毒ガスもちょっとでてきて、戦争史あるある的なみどころがけっこうあると思います。
ストーリー的には、一頭の馬とかかわる人々が戦争に翻弄される様を描いていて、戦争の理不尽さが表現されていると思うんですが、馬を中心に描かれているために、なんというんだろう、すこし引いた視点になっていって、メッセージ性のおしつけがましさが無いのがいいなと思いました。
映画の後半、みわたすかぎりの泥だらけの平野に掘られた塹壕で対峙するイギリス軍とドイツ軍のちょうど中間地点に主人公馬が有刺鉄線にからまって倒れているのが発見されて、イギリス軍のひとりの兵士が命の危険もかえりみず白旗をふって馬を助けるために塹壕をでていき、ドイツ軍からも一人の兵士がそれを助けるためにでていって、二人して馬を助けるというシーンがあるんですが、印象にのこりました。なんかコミカルな味わいもあるシーンなんですが、極限状態にあっても人間の善性というものが発揮されうるというふうにもとれるし、それは同時に、本来は個人として殺しあう理由など無い人間同士がなぜか殺しあうという戦争の理不尽さを感じさせるシーンでもあり、いろいろと読み取れるシーンだと思いました。
あとね、途中フランス人の美少女がでてくるエピソードもあるので、ロリコンの人にもおすすめしたいです。